最高裁判所第二小法廷 昭和45年(あ)1358号 決定
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人金子作造、同原田策司、同中村紘、同相沢建志の上告趣旨は、違憲(三一条違反)をいうが、実質はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。(自救行為は、正当防衛、正当業務行為などとともに、犯罪の違法性を阻却する事由であるから、この主張は、刑訴法三三五条二項の主張にあたるものと解すべきである。これに反する原判断は、法令の解釈を誤ったものであるが、記録によれば、本件は、自力救済を認めるべき場合でないことが明らかであるから、この誤りは、判決に影響を及ぼさない。)
よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 岡原昌男 裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一 裁判官 小川信雄)